第4回: 「スクリーン・リーダーも賢く使い分ける時代なんだ」
JBICT.Net Administrator (Jun 25, 2017)
第4回: 「スクリーン・リーダーも賢く使い分ける時代なんだ」 |
今回は、最近ニュース・クリップにWindows向けのスクリーン・リーダー関連の話題が多かったことを受けて、スクリーン・リーダーについてあれこれと話しています。
今回の出演者がそれぞれどのスクリーン・リーダーを、どのような理由で使っているのかといったことや、関連して職場でのPC環境などについても話しています。
今回の出演者 (五十音順、敬称略)
- 伊敷 政英
- 高橋 倫花
- 高橋 玲子
- 辻 勝利
- 中根 雅文
今回の話題に関連するニュース・クリップ
- JAWS for Windows Ver.17.0 日本語版リリース2が公開
- NV Accessが、"NVDA Certified Expert"の認定プログラムを開始
- JAWS日本語版でWindows 10 Creators Update (1703) を利用するにはバージョン17.0リリース2以降が必要
- Window-Eyesが販売終了
- NVDA 2017.2がリリース
- NVDA 2017.2jpがリリース
- Windows上で6点入力を可能にする「やむ6点入力」 -- 6点漢字、漢点字にも対応
関連リンク
- VFOによるThe Paciello Groupの買収、Window-Eyesの販売中止などについて書かれたブログ記事: NVDA: Now More Than Ever! | The New Hofstader.com
- 日本理療科教員連盟が公開している理療ヨウゴノ読み上げ辞書: 「理療科用読み辞書『読ター』」
収録後記
今回のちょっとした驚きは、ポッドキャストの中でも話していますが、全員2つのスクリーン・リーダーを併用していたことでした。選択肢が増えていると言うこと、有料のスクリーン・リーダーでは充分に対応できない場合が増えているのかも知れないということ、そして無料のスクリーン・リーダーの品質が充分に高くなってきているということなどが相まって、このような現状になっているのだと思いますが、数年前までは考えられなかったような状況だなと思います。
それはそうと、今回の収録は、都内某所の初めて使う貸し会議室で行いました。雨の中5人でぞろぞろ向かったところ、僕がみごとにはぐれたのですが、iPhoneのナビアプリを使って、結局僕が最初に現地に到着するという珍事が起こりました。これも数年前では考えられなかったような出来事だなと思います。今後、ナビアプリなどについて取り上げるポッドキャストもお送りする予定ですので、こちらもどうぞお楽しみに!! [中根 雅文]
今回のコンテンツではあまりお話ししませんでしたが、Window-Eyesは僕にとって印象に残っているスクリーン・リーダーの一つです。 と言うのも、10年ほど前、カリフォルニアで毎年開催されているCSUN Conferenceに初めて参加したときに聞いたWindow-Eyesのプレゼンテーションがとてもおもしろかったからです。 今ではどんな内容だったかほとんど覚えていませんが、新しい機能をデモするたびに会場の参加者から歓声が上がったり、たくさんの質問が出ていたことが印象的でした。 それからしばらくの間、毎年、Window-EyesとJAWSの最新機能の発表を楽しみにCSUNに参加したことを懐かしく思い出しました。 [辻 勝利]
皆さんのお話を聞いて、NVDAやナレーターの機能がどんどん良くなっているのが感じられました。 私もPCでタッチジェスチャーを使ってみたくなりました。 [高橋 倫花]
今回僕は皆さんのお話を聞く立場として主に参加しましたが、Windows環境でもタッチジェスチャーがある程度使えて、それによってスクリーンリーダーユーザーも2次元的なレイアウトを知ることができるようになったことが面白いなと感じました。情報をざっと見るとか、特定のボタンを直接押すといったことがこれまでよりも簡単にできるようになっていくのかなと思いました。また職場でのPC環境などについても簡単に触れていますが、このあたりは改めてじっくり話したいなと思います。 [伊敷 政英]
今回最も印象的だったのは、Windows10だとナレーターもスクリーン・リーダーとしてそこそこ使える…というお話でした。
最近職場が変わり、新たな社内システムとしばらく格闘の日々だったのですが、そのような環境下でいちばんつらかったのは、システム担当者や周囲の人に、スクリーン・リーダーだとなにがどのように使えないのか、あるいは使いにくいのか、なかなか正確には理解してもらえず、共感もしてもらいにくかったということだった気がします。スクリーン・リーダーは、特殊な未知のソフトであり、ユーザーが自ら使いこなしていくしかないもの…という感覚が、システム担当者にも私自身にもありました。
ところが、アップル製のタブレット上で動く社員向けアプリについては、「こんなのあるの今まで知りませんでした」というシステム担当者にテスト用のiPadでVoiceOverを起動し動作検証をしてもらうことができ、私はとても心強かったし、担当者もとてもうれしそうでした。
NVDAも無料なので、多くの人にスクリーン・リーダーの世界を経験してもらうためのすばらしいツールになり得ると思うのですが、やはりわざわざインストールして…となるとPC環境によっては敷居が高い場合もあるようです。
ナレーターがさらに実用性の高いスクリーン・リーダーへと進化してくれたら、特に公的なアプリなどのアクセシビリティを高める一つの原動力にもなってくれるのではないか…と、ひそかな希望をもった今回の収録でした。[高橋 玲子]